Gelato
Photograph: Shutterstock

ミラノで深夜のジェラート禁止令? 市が条例案を提出

騒音対策の一般として飲食のテイクアウトを制限

Liv Kelly
テキスト:
Liv Kelly
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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イタリアの多くの都市がそうであるように、ミラノの夜は楽しい。数多くのバーが軒を連ね、深夜まで地元の人や観光客の多くが軽食を楽しんでいる。ただその一方で、同市では以前から彼らが生み出す「騒音」が問題化。我々も2023年11月に、活気あるポルタ・ヴェネツィア地区の住民が市を訴えると警告したことをニュースにした。

後日、同地区では深夜のテイクアウトが一時的に禁止されたが、今度は同様の取り組みがほかのエリアへ広がる可能性が出てきた。行政側が秋までの間、市内の12地区において平日は24時30分以降、週末は25時30分以降にあらゆる飲食のテイクアウトを禁止する条例案を提出したのだ。

治安担当副市長であるマルコ・グラネッリは、イギリスのニュースメディア「スタンダード」に、「目標は、社交と娯楽、そして住民の平和と平穏のバランスを追求することです」と発言。また、市長のジュゼッペ・サラは次のように述べている。「市民のかなりの層が過度の騒音に不満を抱いています。私は、仕事をしなければならない人、ビジネスをしたい人を含め、全ての市民の声に耳を傾けなければならないのです」

この「禁止令」で、「ジェラートが深夜に食べられなくなる」と騒ぎになっているようだが、我々はそうした反応をしている人々を責めるつもりはない。食後に散歩がてら冷たいものを食べるのは、イタリアの家庭の典型的なスタイルだからだ。多くの人は、そうしたイタリアに欠かせない文化の一つに口を挟むような条例は、結局はあまり歓迎されないと考えているようだが、飲食業界の中ではこの禁止令が収益に与える影響を心配する声も多い。

反対に、このような禁止措置が実際に有効かどうかと、疑問を呈している業界関係者もいる。「テイクアウトができないからといって、例えば20代の若者たちが真夜中に家に帰ると思いますか」と、イタリアの小売業協会であるConfcommercioのミラノ支部事務局長、マルコ・バルビエリは「オブザーバー」紙に話している。

この条例は、可決された場合、2024年5月中旬から11月までの適用となる。ミラノ市民は5月上旬まで不服の申し立てや修正案の提案が可能だ。「ジェラートに正義を」と言いたい。

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